トレッキング用のシューズやブーツは地味で暗い色の製品ばかり……
そんなふうに思ったことはありませんか?
すぐに土や泥に塗れてしまうため、黒や暗めのアースカラーが基調である方が都合が良いに決まっていますが、世の中にはトレッキングシューズの高い機能性をタウンユースにも活かしたいと考える欲張りさんが、少なからず居るのですよ。
かくいう私もその一人ですが、散々探し回ってようやく見つけても、それがレディース用だったり、既に在庫の無い限定モデルやコラボモデルたったりな訳ですが……、嬉しいことに久々に当たりを引くことができました。
かねてより、軽めのトレッキングからタウンユースまで、シームレスに使うことができるシューズとして、メレルのカメレオンシリーズに目星をつけていましたが、バージョンアップした「CHAMELEON 8 STORM」に私好みのカラーバリエーションが遂にお目見え。
常々、「どうしてアウトドア系のウェアやシューズは男女でカラーバリエーションを分けてしまうのか?」そんな不満を抱いていましたが、今作からはサイズとカラーがユニセックス仕様へと変貌する大英断も。
これも一種のジェンダーレスなのかも知れませんが、今回はMERREELL「CHAMELEON 8 STORM GORE-TEX」の詳細やサイズ感、実際に履いてみた感想について触れてみます。
MERREELL「CHAMELEON 8 STORM GORE-TEX」の詳細とサイズ感
さて、私が今回購入したのはメレルのトレッキングシューズ「カメレオン 8 ストーム ゴアテックス」でカラーはUNBLEACHED /アンブリーチドです。
オフホワイトを基本色にライトブラウンとカーキをアクセントカラーとして散らした配色で、カジュアルでありつつも派手過ぎない落ち着いた佇まい。
ガムソールのシューズを思わせる配色が気に入って購入しましたが、そこはかとなくレトロな雰囲気も漂います。
限定カラーを除くと、2023年時点で五種類のカラーバリエーションがラインナップされていますが、アンブリーチドに出会わなければ、無難にブラックかカメレオンシリーズでは定番カラーのLICHEN /ライケンから選んでいたでしょう。
因みに、限定カラーとして白黒セパレートのMOONBEAM/ムーンビームという良さげな配色もあったのですが、今となってはオークションかフリマサイトくらいでしか手に入りません。
まずは外観から見ていきますが、サイドビューはこんな感じ。
それなりにスポーツシューズ的な装飾は見られますが、アースカラー基調につき、ありがちなハイテク感はかなり薄味ですね。
ロゴの無い側面内側は更にシンプル。
何がそう感じさせるのかはわかりませんが、少しだけ野球用のシューズに似ている気も。
トレッキングシューズなので当たり前ですが、ヒール部分もトゥ部分もしっかりとアウトソールで覆われ、防御力は十分。
トップビューで見ると、コッペパンに似た全体的に丸味のあるフォルム。
とはいえ、過度な野暮ったさは感じませんし、女性にも支持されそうな優しい表情をしています。
アッパーはカメレオンシリーズお馴染みのラギットメッシュ。
撥水性・耐久性に優れるのはもちろんですが、今モデルは旧モデルよりも繊維が毛羽立ちづらくなっているそうな。
アウトソールは今モデルも継続してビブラム社製。
旧モデルのカメレオン7は、楕円形の凹凸が配置されたアウトソールでしたが、今モデルはエッジの立ったアウトソールに変更されていますね。
過去モデルはどれも滑りやすいとの評価を受けていましたが、実際に使った方のレビューによると、今モデルはしっかりと改良が見られるとのこと。
個人的に嬉しかった点がこちら。
トレッキングシューズとしてはシャンクがしっかりしていて、アウトソールが硬めのつくり。
よくあるトレッキングシューズよりもアプローチシューズに近い性質で、ググっと加重すると足先が僅かに屈曲する「先調子」気味な特徴がありました。
数年前に足底筋膜炎を患って以来、アウトソールが曲がりやすいシューズだと痛みが早く出ていたので、私にとってこれは本当に嬉しい仕様です。
そしてもう一つ。
ゴアテックスライニングの防水靴は、赤矢印部分の作り込みが甘いと痛みが出やすいのですが、こちらのシューズは折り込み部分のごろつき感が控えめで、甲部分への足当たりが大変ソフトです。
足首まわりが甲高気味の私は、過去にこの部分で散々痛い目を見ているのですが、硬質なアッパー表面とは裏腹に、シュータンまわりの足当たりは予想を裏切る好感触でした。
最後に気なるサイズ感ですが、足長27cm強、足囲24cm、やや甲高気味の私で28cmのUS10サイズがジャストでした。
メレルはジャングルモックを長年愛用していますが、そちらのサイズ感とほぼ一緒ですね。
メレルは28cm以上はサイズが1cm刻みになってしまうので注意が必要ですが、サイズ選びは足の実寸プラス0.5~1cmくらいが妥当でしょうか。
カジュアルウェアにも良く馴染む「カメレオン 8 ストーム」の歩き心地
さて、例によって自宅から近場の里山まで、散歩がてらの慣らし履き。
ご覧の通り、ジーンズとも合わせやすくトレッキングシューズというよりも、完全にスニーカーライクな立ち位置です。
因みに、元からアッパーには撥水加工が施されているので最低限の防汚効果はありますが、コロンブス社製のスニーカー用スプレーフォームシャンプーは、こういったナイロン素材の汚れ落としにも使えるとのこと。
れっきとしたトレッキングシューズですが、アスファルト上の歩行感も上々で特に違和感はありません。
人によってはアウトソールが柔軟な方が舗装路を歩きやすいと感じるでしょうけど、比較的長い距離を歩く私にはこのくらい硬い方が疲れづらく、足底筋膜炎にも良い影響がありました。
片田舎の道は未舗装路も多く、砂利道での負担軽減も歩きやすさに繋がっているように感じます。
結局、おろし立ての靴で10kmほど歩いてみるも、トラブルらしいトラブルはなく、一番の懸念だったシュータン部分の圧迫感も杞憂に。
普段はホカオネオネのローカットトレッキングシューズを使っていますが、厚底ソールによる履き心地は抜群なものの、軽量化の影響でアウトソールの耐久性に劣る面があり、砂利道を積極的に選べないという欠点がありました。
一方、カメレオン8は片側約430gとスニーカーよりも重めの仕様ですが、そのぶんアウトソールには耐久性のある素材が使われ、良い意味で雑に使えてしまいます。
気になるルートを何も気にせずどんどん進んで行ける楽しさがあり、スニーカー的でありながらしっかりとトレッキングシューズとしても使える、そんな総評になるでしょうか。
因みに、再三アウトソールが硬めだと評していますが、それはあくまでも質感と屈曲具合の話で、トレッキングシューズに求められるレベルのクッション性はしっかりと備えています。
まとめ
個人的にトレッキングシューズとしては、かなり上位に入る外観だと思っていますが、最近のメレルはカメレオンだけでなく他のシリーズにもカジュアルな要素を積極的に落とし込んでいるので、今後が本当に楽しみです。
人によって美的感覚は千差万別ですが、私と同じように「これならタウンユースでも違和感ないのでは?」
そう思えた方は、一度メレル カメレオンをお試しあれ。