随分前になりますが、このブログでモンベルの極地対応ダウンこと『ポーラーダウンパーカ』について話題にしたことがあります。
実用性を重視した無骨な見た目ながら、高い防寒性やポケット類の使い勝手の良さなど、欠点を補って余りある良ダウンジャケットで、特に目元以外をすっぽりと覆えるトンネルフードが秀逸でした。
私自身、雪国住まいの方ならきっと共感してらえるだろう…と確信するくらい悪天候や吹雪に強い点が気に入っていたのですが、ちょっとした不注意から生地に回復不可能なオイル汚れをつけてしまいます。
流石に外出用としてはもう使えないため、泣く泣く引退する羽目になったのですが、正直なところカジュアル向きではない点以外に全く不満は感じておらず、ポーラーダウンの再購入もやぶさかではありません。
後釜のダウンジャケットは、汚れの目立たないネイビーカラーのポーラーダウンで良いかな…コスパも良いし…と躊躇いも無くあっさり決めるつもりでしたが、私の拘りポイントこと『フード』まわりが秀逸な製品が、もう一つ存在したことを唐突に思い出します。
確かパタゴニアの製品で、高い防寒性を備えつつも街着としても使える、そこそこシックなデザインだったハズ…とうろ覚えのまま調べてみると、製品名は『フローズン・レンジ・パーカ』で幸いなことにレギュラー製品として毎年リリースされている模様。
ポーラーダウンに後ろ髪引かれるものの、同じ製品を買うのも面白味がないということで、結局このパタゴニア『フローズン・レンジ・パーカ』の購入を決定。
商品画像を眺めつつ、そういえば以前に購入に至らなかったのは、襟やフードまわりが大きすぎて着こなしが難しそう…というのが理由でした。
前置きが長くなりましたが、今回はパタゴニア『フローズン・レンジ・パーカ』の詳細やサイズ感、襟やフードまわりの整え方や生地のシワ対策について話題にしてみます。
パタゴニア『フローズン・レンジ・パーカ』の詳細&サイズ感は?
さて、私が購入したフローズンレンジパーカ/Frozen Range Parkaですが、上画像の通りボリュームのあるフードや、嵩高な襟が印象的なダウンジャケットです。
それ以外の部分は無駄のないスッキリした見た目になっていて、アウトドアよりもタウンユースに向いた洗練されたデザインでしょうか。
今季のカラーは私が選んだSage Khaki/セージカーキとブラックの2色ですが、世間的には合わせやすいブラックの方が人気みたいですね。
因みに、撮影環境の違いから色味がまちまちですが、晴天下では緑がかった明るめのグレーが一番近く、暗所ではオリーブグリーンに見えるなど、環境に左右されやすい色合いです。
生地には防水性と透湿性を備える2層構造ゴアテックスが採用され、お得意のDWR/耐久性撥水加工も施されています。
ダウンの品質は700フィルパワー、混合率はダウン75%、フェザー25%、封入量は十分すぎる程ですが、最近の高品質ダウンを見慣れていると、ダウンの質に対して少し控えめな印象を受けるかも知れませんね。
フローズンレンジパーカを象徴するのがフードと嵩高な襟です。着こなしが難しそうだなぁ…とは思いつつも、私もこの魅力に抗えませんでした。
パタゴニア的には『シュノーケル型フード』と呼称するそうですが、最近はマムートも似たような形状を採用した製品を積極的にリリースしているので、何気に流行りのスタイルなのかも知れませんね。
悪天候時には頭部をすっぽりと覆うことができ、ポーラーダウンのトンネルフードよりも更に奥行きのある作りです。フードが浅いと雨粒や雪がメガネに付着しやすくなるので、メガネ愛用者の私にとって嫌でも注目したくなる部分でしょうか。
また、フードにもしっかりとダウンが封入されていて、二箇所のドローコードでフィット感や庇(ひさし)の位置調節も可能と、卒の無い仕上がりです。
フロントはフラップ付きのジップ仕様で、大型のパラシュートボタンを併用するスタイルになっています。
このパラシュートボタンはカナダグースのダウンジャケットなんかでよく見掛けますが、少し前のユニクロ製ダウンコートでも採用されていました。
大き目とはいえ、ボタンをいちいち付け外しするのが面倒臭い…と思うかも知れませんが、私個人としてはこちらの方が嬉しいですね。
よくあるベルクロ仕様だと、ニットのインナーを引っ掛けて一撃でダメにすることがありますから。
ポケットは上画像の胸部に一つ、腰部の左右にハンドウォーマーポケットが二つ、内ポケットは右の裾部分にタブレットサイズの大型が一つと、合計四ケ所です。
胸ポケットは大き目のスマートフォンを収納できるサイズ感ですが、フラップの内側ではなく完全に外側にあった方が使い勝手が良かったかも知れませんね。
前述した腰部のハンドウォーマーポケットはジップ付きで、裏地が起毛している手袋いらずなあたたかさです。
他社製ではポケットの位置が上過ぎて肩が凝ったり、フラップ付きで真上からしか手が入れられなかったりと散々な物もありますが、この位置と角度だとそういった心配は無さそうです。
袖部分は二重になっていて、冷気が侵入することがありません。手袋を袖の内側にも外側にもフィットさせられる作りです。
フロントジップはダブルジップ仕様になっていて、下側からでもフルオープンが可能です。
後述しますが、この仕組みが大変役立ち、一時的に電車や屋内に入った際のベンチレーションとして重宝します。
画像ではわかりづらいですが、大型の内ポケットが右裾の手前側に備わっていて、手袋やタブレットくらいなら余裕で収納できます。
余談ですが、ダブルジップのファスナーエンドが女性用の衣類と同じ位置にあり、右裾を左裾のファスナーエンドに差し込むのではなく、左裾を右裾のファスナーエンドに差し込む作りになっています。
恐らく、フラップやパラシュートボタンの存在が影響しているのだと思いますが、慣れないと少しジッパーを閉じづらく感じますね。
気になるサイズ感ですが、パタゴニアは日本サイズよりもワンサイズ分大きいというセオリー通り、今回はMサイズを選びました。
それでもフローズンレンジパーカーは少し大き目に作られいるようで、大半の方はXS~Sサイズで十分だと思います。
平置きした時の実寸は【着丈】83cm【身幅】60cm【裾幅】60cm【肩幅】50cm【袖丈】67cm【襟高】16cmで、身長180cm強、体重65kg弱、痩せ型の私がインナーに厚手のフリースを重ね着できるくらいの着用感でした。
タイト目に着こなすなら、Sサイズでも窮屈感はなく、着丈や袖丈も短いとは感じないかも知れませんね。
因みに、重量は1253gと見た目から想像できる通りですが、バルトロライトジャケットが約950g、カナダグース約1400g、ウールリッチが約1300gなので、コート丈のダウンジャケットとしては標準か若干軽めの製品になるでしょうか。
襟とフードの調整がポイント!フローズンレンジパーカ着こなしのコツ
さて、ボリュームのあるフードと嵩高な襟が魅力のフローズンレンジパーカですが、実はこの部分が最大の短所でもあります。
上画像からも推察できるように、フロントをフルオープンないしハーフオープンの状態で無造作に着用すると、襟が特大のアサガオのように開いてしまう上に、フードが扇のように頭の後ろに鎮座して、なかなか主張の激しい出で立ちになります。
パタゴニア公式HPのモデルさんですらご覧の有様で、そのまま着ただけでは画像右のようには整ってくれません。
フローズンレンジパーカのレビューにもこの点に触れている方がいましたが、有難いことに着こなしのヒントになる画像も公式HPで確認することができます。
それがコチラの画像、ひとつ前の画像とは随分と印象が変わり、フードや襟まわりも主張し過ぎない程度に整っていますね。
鋭い方なら直ぐに気付くと思いますが、上画像左のフードに注目してみて下さい…フードのサイズがかなり小さくなっていますよね?
そうなんです、フードの上から裏地がチラ見えしているのでわかり易いですが、フードを内側に折り込んで、サイズを調整しているんです。
撮影時に見栄えを気にしてスタイリストの方が整えたのだと思いますが、ひとつ前の画像の右側よりもフードまわりが更にコンパクトに整っています。
アパレル系の商品画像は、着用モデルの見えないところを洗濯バサミで摘まんでシルエットを整えたりするそうですが、このパタゴニアのテクニックは実生活でも使えそうな方法ですね。
実際に試してみると、フードを内側に折り込んだ際の変化は上画像のようになり、フードを裏返すくらいの勢いで整えるのがコツです。
正面はこんな感じになり、首裏にあるダウンチューブの外側にもう一つ大きなダウンチューブを作るような感じに整えると、綺麗にまとまります。
ここからの微調整はお好みで構いませんが、フードの両サイドは両肩にのせる感じで広げるか、襟の高さをもう一段低く整えたいなら、フードの後側だけでなくフードの両サイドも意識して内側に折り込むと微調整できます。
フロントは上から2~3つ目までのボタンまで開くのが最も見栄えがよく、正直どんなに暑くてもフロントのフルオープンはお勧めしません。
例えこのテクニックを使ったとしても、フロントをフルオープンすると襟の主張を抑えきれなくなります。
慣れると着たままでも短時間でフードの折り込みができるようになりますが、電車や屋内で暑さに耐えられなくなった時は、ダブルジップを活用して2~3つ目のボタン位置まで、下側からジッパーを開いて温度調節するのがオススメですね。
この方が、フードを整える手間が省けますから。
まとめ
購入後、概ね大満足なフローズンレンジパーカですが、どうやらシワになりやすい生地が使われているようで、気になる方は気になるかも知れません。
表地のポリエステルはシワが取れやすい性質があるそうですが、効果的にシワを取るには一度生地を湿らせる必要があるのが厄介ですね。
【1】湿らせてから扇風機の風を当てる【2】あて布をして中温度以下のアイロンで手早くシワをのばす【3】入浴後に換気扇を回しつつ浴室に吊るしておく【4】シワ取りスプレーを使う
シワ取りには上記のような方法があるみたいですが、どの方法も『ポリエステルは湿らせてから乾かすとシワにならない』という性質が活用されています。
因みに、シワ取りスプレーはライオン製の『お洋服のスタイルガード』がポリエステルに対して最も効果を発揮するとのこと。
どちらにしても、濡れは避けられないようなので、合わせてニクワックスのスプレータイプなどの撥水剤も備えておきたいところでしょうか。