低価格で使い勝手の良いアウターとして人気の”フリース”ですが、世の中にはたった一枚でユニクロのフリースが軽く十枚は買えてしまう、驚きの高級フリースが存在します。
その一つが、スウェーデン発のアウトドアブランド“HOUDINI/フーディニ”がリリースしている“POWER HOUDI/パワーフーディー”で、フリースにあるまじき価格設定にも関わらず一度着たら病み付きになる着心地の良さから、大変人気のある製品となっています。
実は、私もこのフリースの着心地に魅了された一人で、数年前に購入して以来ずっと愛用し続けています。価格が価格だけに万人にオススメできるアウターではありませんが、今回は”HOUDINI/フーディニ”の高級フリースこと”POWER HOUDI/パワーフーディー”の着心地やサイズ感について紹介してみたいと思います。
“POWER HOUDI/パワーフーディー”の感想
パワーフーディーを紹介する前に、混乱を避けるため説明しておきたい事があります。冒頭でも触れましたが、パワーフーディーをリリースしているブランドは”HOUDINI/フーディニ”と言う名前です。
実はアウトドアウェアにはもう一つ有名なフーディニが存在していて、アウトドアメーカーとして知られるPatagonia/パタゴニアがリリースしているウインドジャケットも”Houdini/フーディニ”と呼ばれています。
両者はよく混同されますが、パタゴニアのフーディニは商品名で、今回紹介しているフーディニはブランド名です、少しややこしいですが間違えない様に注意しましょう。
さて本題ですが、”POWER HOUDI/パワーフーディー”は着心地の評判が飛びぬけて良く、少し大袈裟過ぎない?と訝しく思うほどです。
実際に着てみるとその感想に嘘偽りはなく、多くの方が口お揃えて言う通りストレッチ性に富んだ非常に柔らかい着心地をしています。
Polartec/ポーラーテック社のパワーストレッチプロと呼ばれる最高品質の生地が使われ、縫い目まで伸縮する抜群のストレッチ性はもちろんマシュマロのような生地のモチモチした感触と500g以下という軽さは本当に病み付きになります。
アウトドアやスポーツウェアに必須な汗を素早く排出する機能にも優れているので肌寒い時期のウォーキングやトレッキングに使おうと思っていた私には大満足なアウターでした。この着心地で値段さえ安ければ、部屋着として四六時中使いたい思えるほどです。
アウターとしての使用感
このパワーフーディーはフリースに分類されるアウターですが、表地はジャージのような手触りの生地で裏地は毛玉の出来辛い起毛したフリース地になっています。着こなしもパーカーよりもジャージ寄りな印象で個人的に過度な重ね着には向いていないと感じました。
フード付きのダブルジップ仕様でハイネック気味の作りですが、無造作に着ただけでも首周りがボリュームネックのパーカーの様にキレイに整う点は素晴らしいの一言です。
着丈が前後で異なり前かがみになっても背中が出にくく、さらにポケット内にあるドローコードで裾のフィット感が調節できるので、ちょっとしたサイクルウェアとしても使えるような設計になっています。
肝心の防寒性についてですが、気温8度のやや風の強い状況でインナーにTシャツ1枚のみで外出してみた場合、防風性能がそれ程高くないせいもあり当然の事ながら少し肌寒さを感じます。
包み込まれるような暖かさは流石といった感じですが、やはりフリースなので防風性に期待してはいけません。気温0度以下でも防風シェルと組み合わせればダウンジャケット並みの実力を発揮してくれますが、単体で利用する場合は無風で気温5度くらいが限界かも知れません。
袖口に目を移すと、二重に補強された袖部分には親指を通すサムホールがあり、寒い時期に買い物袋を持つような状況でも手袋が不要なのは嬉しいところです。
この機能は見た目の好みがハッキリ分かれそうですが、袖部分もストレッチ性が高いので、気に入らない場合は袖をたくし上げて着るだけで簡単に無効化出来ます。
全体的に満足度の高いパワーフーディーですが、唯一気になったのが着脱のし辛さです。ライトアウターな上にアウトドアやスポーツ向きなので頻繁な脱ぎ着は始めから考えられていなさそうですが、フリース裏地とストレッチ性が相まって、袖通りが悪いです。
インナーの種類によってはスムーズに着脱ができず、パーカーをサッと羽織るようなカジュアルな着こなしを期待している方にはやや不向きかも知れませんね。
“POWER HOUDI/パワーフーディー”のサイズ感について
実は、購入するにあたって一番悩んだのがサイズでした。お世辞にも安くはないアウターですしHOUDINIを販売している実店舗が少ないため試着も叶いません。
普段はMサイズかLサイズを着ている私ですが、最終的に選んだのはXSサイズで、成人男性の平均的な体型を考えると無理のあるサイズに感じます。
ですが、メーカーが公表しているサイズや販売店での実寸データ、購入者のレビューを参考にしてXSサイズを注文してみると、結果として何の問題もなく着られました。
アメリカンサイズの服は日本サイズよりもワンサイズ分大きく作らている事はよく知られていますが、北欧地域は男女を問わず先天的に大柄な方が多く、アメリカンサイズを上回る1.5サイズ分くらい大き目に作られています。
パワーフーディーは普段Mサイズの方ならばXSサイズかSサイズを選択するといった感じになり、ストレッチ性が高いため身幅(胸囲)に関してはXSとSサイズで大きな差が無い作りです。
サイズ感からすると大柄でガッチリとした体型の方に向いているフリースですが、普通のアウターの様に重ね着を考えているなら少し大き目のサイズを選ぶのもありでしょうか?個人的にインナー控え目で、ほど良いフィット感で着こなしたほうがキレイなシルエットになるように感じます。
因みに、パワーフーディーには当然レディース用もあり、カラーバリエーションがメンズと若干異なります。メンズとレディースで作りに大きな違いは無くレディースの色が好みならこちらを選ぶのも手です。
レディースのMサイズがメンズのXSとSの間くらいにのサイズ感になり、レディースのMサイズとLサイズならメンズ用としても着られると思います。
“POWER HOUDI/パワーフーディー”に向いたインナーは?
パワーフーディーはあまり重ね着しないほうがキレイに着こなせますが、タイトなXSサイズを選んだ私の場合は薄着でも十分な温かさを得るために、インナーに少し工夫が必要でした。
街着など、カジュアルな用途でしか使わないのなら価格がお手頃なユニクロのヒートテックで十分ですが、大量に汗をかくスポーツ用として使うなら以前このブログで紹介した機能性インナーを使うのがオススメです。
因みに、機能性インナーの多くは生地の表面が滑らかなので、前述したパワーフーディーの袖通りの悪さを解消できる利点もあります。
まとめ
結論から言うと、パワーフーディーが癖になる着心地であることは間違いありません。実際に着てみないと、この感動が伝わらないのが残念ですが、価格に見合った価値は確かにあります。
最後になりますが、HOUDINIにはパワーフーディーのフードなしタイプとして厚手ジャージ風の”POWER JACKET/パワージャケット”も存在しています。
パワーフーディーよりもカラーバリエーションが少ないのが残念ですが、本格的なレイヤリングとしてソフト&ハードシェルジャケット・マウンテンパーカのインナーとして使用する場合は、このパワージャケットのほうが向いていると思います。