雪国住まいの私ですが、数年前から気になっていたノースフェイスのスノーブーツ『ヌプシブーティー』をようやく購入しました。
購入に至った動機は結構切実で、最近のジーンズのレングス(股下丈)が総じて短くなっていることが原因です。
意外に思うかも知れませんが、ジーンズをやや短めのアンクル丈で着こなすスタイルが当たり前になってしまった影響から、大抵のジーンズで以前よりも5cm近くレングスが短くなり、今となってはユニクロ製のジーンズですら股下が長い部類に入ります。
日頃、トールサイズ仕様のジーンズを愛用している私にとって、この5cmの差が大変厄介で、今までギリギリ不都合を感じなかった『イスに座る、屈む、膝を高く上げる』などのちょっとした動作でも、簡単に靴下が露出するようになり、足元が濡れたり冷えたりする事が確実に増えたのです。
う~ん、冬場くらいは何とかしないとマズいなぁと思った私は、結果としてジーンズをブーツインして誤魔化す方法を選び、白羽の矢が立ったのが以前から気になっていたヌプシブーティーだった訳です。
ヌプシブーティーの種類とサイズ感
ヌプシブーティーにはカジュアルな素材感の“ウール”、軽量な“ライト”、耐水性が高い“ウォータープルーフ”の大きく分けて3種類が存在し、更にキッズ用やレディース用、男性でも履けるユニセックス用にわかれます。
シャフトレングスと呼ばれる筒丈の長さにも幾つかのバリエーションがあり、上画像の中央がヌプシブーティーの標準丈、左がトール、右がショート、画像にはありませんが最も短いミニも存在し、”ミュール”や”ロー”なんて呼ばれ方もしますね。
丈を選ぶ上で、実用性を重視するならウォータープルーフの標準丈で過不足ないと思いますが、積雪量の多い地域に住んでいるならトール丈が心強いです。
ファッション性重視ならショート丈がおすすめで、カジュアルウェアに馴染みやすいウール・スエード・フリースといった、表地にファブリック素材の使われたヌプシは特に女性に好まれています。
さて、肝心のサイズ感ですがヌプシブーティーは通常よりもやや小さめという評判です。
足の実寸が27.5cmの私が靴下を履いて、サイズ28cmをフィッテイングしてみると、少しだけ爪先が靴の先端に触れる感覚があり、確かにサイズ感は気持ち小さめ。
強い圧迫感はありませんしジャストサイズといえばそうなのですが、あとワンサイズだけ大きくした方が厚手の靴下にも無理なく対応してくれそうです。
フィッティングの結果、私の足にはサイズ28.5cmがベストな事がわかりましたが、残念なことに28cm以上は1cm刻みでしかサイズが無く、肝心のサイズ29cmも在庫が見当たりませんでした。
注意点しなければならない点として、一般的なヌプシブーティーは紐なしブーツにつき後からフィット感を調整する術がありません。
足を通すとわかりますがヌプシブーティーは足首まわりが若干窮屈に作られていて、その部分でフィットさせる仕組みになっています。
私は結局サイズ29cmを選び、在庫のあった通販を利用して購入しましたが、この点を甘く見ていたせいで大き目を購入したことを後悔する羽目になりました。
悲しいことに、サイズが大きくなるとフィット感を司る足首まわりも同様に大きくなってしまうのです……
サイズ選びに失敗しないためには、足首がしっかりと固定されるジャストサイズか普段のサイズより0.5mmだけ大きいサイズを選ぶことが大切で、1cm以上のオーバーサイズは避けた方が無難です。
ヌプシブーティーの使用感は?
サイズが大き目で履き心地がイマイチだったのは誤算でしたが、厚手の靴下を二枚重ねにする事で、なんとか実用に耐えられるようになりました。
サイズ調整用のインナーソールや爪先・踵用のスペーサーも販売されているので、使ってみる価値はありそうです。
さて、履き心地を確かめるために3kmほど雪道を散歩してみました、私が購入したのは型落ちのウォータープルーフIVで、筒丈はショートです。
気温は0度以下でしたが、中綿入りなのであたたかく、氷点下で強風に晒されても足元に寒さを感じません。
このモデルのアウトソールには低温でも柔軟性を失わない材質が使われ、足裏に無数にあるスパイクは逆に低温で硬質化する優れものです。
足を踏みしめると確かに雪道での喰いつきが良く、足裏全体でグリップしている感覚があり非常に安定感があります。
流石にツルツルのアイスバーンや濡れた氷の上では滑りやすくなるので油断できませんが、それでも大抵のスノーブーツよりもグリップ力は上です。
また、ヌプシブーティーの上部には雪などがブーツ内に入らない様に入口を調整つ出来るドローコードが設けれています。
雪深い地域に住む方には本当に有難い機能なのですが、サイズが大きいせいなのか、足が細いせいなのか、ドローコードを限界まで引き絞っても、足まわりにフィットしてくれず、イメージ通りの機能を果たしてくれませんでした。
私がお店でフィッティングしたヌプシブーティーは、ドローコードを引き絞るとしっかりとフィットしてくれたので、購入した型落ちモデルはまだ機能が洗練されてなかったのかも……
因みに、ヌプシブーティーはバージョンアップが繰り返され、一番人気のウォータープルーフモデルは七世代目の“ウォータープルーフVII”がリリースされています。※2023年調べ
また、少し前の六世代モデルからはアウトソールが画像左のビブラム“アイストレック”に変更され、雪道や凍結路での防滑性が今まで以上に強化されました。
個人的に四世代目の”IV”や五世代目の”V”に採用されている旧型アウトソールのサンドペーパーみたいなグリップ感が好みですが、どうやらビブラム仕様になったのはヌプシブーティーのフラグシップモデルのみ。
幾つかあるヌプシブーティーの派生モデルには、旧モデルと同じノースフェイス製アウトソールが採用されているため、完全にお蔵入りという訳では無さそうです。
品質に定評のあるビブラム社製だけに、アイストレックが旧モデルよりも防滑性に劣ることは無さそうですが、旧モデルのアウトソールよりもアスファルト上での摩耗に強い点にも注目したいところ。
積雪の無い地域で普段使いしていると、旧モデルのアウトソールはワンシーズンで駄目になりそうですから。
まとめ
私はサイズ選びを誤ってしまいましたが、フィッティングが確かなら大変使い勝手の良いスノーブーツだと思います。
ボリューム感のある見た目に反して細身のパンツとの相性が良く、ブーツインスタイルにしても長靴とは違った小洒落た印象になります。
見た目よりも軽量なので疲れづらいですが、しっかりとフィットして足に追随してくれる感覚に乏しいため、長距離歩行には間違いなく向いていません。
あくまでも私基準の話ですが、散歩や買い物に使うなら6kmくらいが上限になるでしょうか。
ここ数年はコロンビア製のスノーブーツも秀逸なので、雪道での高い防滑性と共にヌプシ以上の歩きやすさを求めるなら、こちらから選ぶのも手です。
機能性重視ならサップランド、ヌプシブーティーと同じテイストを求めるならイエローテイル、この辺りが狙い目ですね。