以前の記事でノースフェイスの人気フリース『アンタ―クティカバーサロフトジャケット』について話題にしたことがあります。
アウターとしての暖かさはもちろん、スッキリとした見た目や使い勝手の良さなど、個人的に大満足なフリースでした…
さて、なぜ微妙に過去形なのかというと、とある理由から泣く泣く手放しているからです。実はこのフリース…ものすごく毛が抜けるというイヤ~な欠点があるのですよ。
これは、毛足の長いハイロフトフリースなのに一切裏地が使われていないことが原因で、街着などで普段使いしただけでもインナーが抜け毛まみれなんてことが頻繁にありました。
お世辞にも安くはないフリースが、着る度に目減りしていくような感覚がありますし、毎回抜け毛の処理をするのも面倒です。
裏地があれば完璧だったのに…と思いつつも、こういった経緯から使い勝手の良かったアンタ―クティカバーサロフトジャケットの後釜を探すことになったのですが、どうやらパタゴニアのボアフリースジャケット『レトロX』が人気の様子。
他社製の類似品も含めて、ハイロフトフリースやボアフリースについて情報収集してみたところ、どうやら私にはレトロXではなくコロンビア製のボアフリース『アーチャーリッジジャケット』の方が向いているという結論になりました。
人気があるが故に、見た目がレトロX風なフリースはごまんとあり、このアーチャーリッジジャケットも例外ではありませんが、物によっては本家を凌ぐ製品もあるようです。
今回は本家レトロX以上の機能性を誇る、コロンビア『アーチャーリッジジャケット』のサイズ感や実際に使用してみた感想について、簡単にまとめてみます。
パチモノとは呼ばせない!ボアフリース『レトロX』と『アーチャーリッジ』の違い
結局、私は人気のレトロXではなくパチモノ風味が漂うアーチャーリッジジャケットを購入しましたが、決め手になったのはやはりサイズ感ですね。
上画像を見るとわかりますが、レトロXはサイズに対して着丈がやや短く、身長を基準にオーバーサイズ気味を狙うと、身幅や腕まわりのサイズ感が大きくなり過ぎてしまいます。
因みに今でこそ街着として重宝されていますが、元々はアウトドア用なのでヒップベルトやハーネスに干渉しないようにという配慮で着丈が短くなっているそうです。
また、両者にはフリースでありながら、アウターとして単体でも使える防風性を備えている共通点もありますが、裾や首まわりから冷気のまわり込みを防ぐドローコードがアーチャーリッジジャケットにしか備わっていない点も、見逃せませんでした。
まとめると、着丈が普通のアウターと同基準、ドローコードを引き絞ってサイズ調整ができ冷気も侵入しづらい、レトロXよりも機能性に優れる割に実売価格が約半分、こういった点がコロンビアのアーチャーリッジジャケットを選んだ理由になるでしょうか。
余談ですが、私はあえて2シーズン前の旧モデルを購入しました。
上画像左は継続販売されている2019年モデルのSierra-Tanカラーで、上画像右は2020年モデルのAncient Fossil/Navyカラーとなり、両者とも私の購入した旧モデルとは首まわりと胸ポケット部分のデザインが異なります。
本来なら一番新しい右側のモデルを選びたいところですが、何故か胸ポケットを含むナイロン部分が光沢のある安っぽい素材感に変更されてしまい、私の好みにそぐいませんでした。
私が購入した旧モデルは既に入手困難なので、この辺が気になる方は継続販売中の2019年モデルを選ぶか、次のモデルに期待しましょう。
アーチャーリッジジャケットの詳細とサイズ感について
さて、処分価格で手が届きやすくなっていた旧モデルを購入してみましたが、前述した通り首まわりと胸ポケットのデザインが新しいモデルとは異なります。
旧モデルの見た目は良くも悪くもレトロX寄りなので、差別化のためにリファインしたのかも知れませんね。
気付きづらいですが、首まわりやサイドラインのナイロン部分が中綿入りのダウンジャケット風になっているのもレトロXには見られない特徴です。
今回は一番大きいXLサイズを選びました。ジャストサイズはLで中間着としても使いたいならMも選択肢に入りますが、身長を基準にして若干オーバーサイズ気味に選ぶとこうなります。
因みに平置きの実寸サイズは、前着丈69cm、後着丈72cm、身幅59cm、裾幅53cm、裄丈90cmで、身長180cmで痩せ型の私が着ても大きすぎる印象はありませんでした。
新旧モデルでサイズ感に違いは無い筈なので、オーバーサイズ狙いならワンサイズ上を選び、アウターとしてもインナーとしても使いたいならジャストサイズを選ぶのが良さそうです。
細部を確認してみると、フロントジップには風の侵入を防ぐフラップが設けられていました、この辺はレトロXと同じですね。
フロントはダブルジップ仕様になっていて、上からでも下からでも開閉できます。使用されている防風フィルムには透湿性が備わっているそうですが、下側からジップを開いて、一気に蒸れを逃すといった使い方も出来そうです。
最近ではユニクロからも防風性のあるボアフリースがリリースされていますが、お察しの通りこちらには全く透湿性が無いので、お洒落着アウターとしてのみ活用しましょう。フリース本来の中間着として使うと間違いなく蒸れますから。
腰部分のポケットもジップ仕様になっていて、紛失や落下を気にせずスマホ等の小物を収納できるようになっています。
私が一番拘った部分がこちら、裾部分のドローコードです。フリースはあくまでも中間着という位置付けなせいか、アウトドメーカーの本格的なフリースでも袖や裾のフィット感を調整できないタイプが大半ですね。
アーチャーリッジジャケットは単体でもアウターとして使える仕様になっているため、こういった部分はダウンジャケット寄りな印象でしょうか。袖口部分はレトロXと同じく伸縮性のある作りになっています。
首の裏側にも調節用のドローコードがあり、首元からの冷気の侵入を防いでくれます。オーバーサイズを選ぶと、各部から冷気がまわり込みやすくなるので、こういった配慮は有難く感じますね。
最後にカラーについてですが、このSierra-Tanはやや暗めのクリーム色ですね、トイプードルみたいな感じでしょうか?より白に近く明るめが好みなら新モデルのAncient Fossil/Navyの方を選びましょう。
アーチャーリッジジャケットの防寒性はいかに?
さて、適当に選んだ上画像とは裏腹に、気温10度、風速4m/s、晴れ時々曇りの中でアーチャーリッジジャケットの防寒テストをしてみます。
裏地と表地の間に透湿性のある防風フィルムを備えていることもあり、アーチャーリッジジャケットは普通のフリースと比べるとやや重めな着用感ですね、気にならないレベルですがフィルムのガサガサ感も若干あります。
そのフィルムのお陰で気温10度程度では薄手のインナーだけで十分な防寒性がありました、二時間ほどの散歩でも後半は少し暑いと感じるくらいですね。
細部の仕様がダウン寄りなこともあり、暖かさはユニクロのウルトラライトダウンとほぼ同等な気がします。防風性はこちらの方が上ですが、そのかわりボアフリースだけに、雨や雪は不得手といった感じでしょうか。
天候が穏やかならば気温が5度前後でも十分に使えるアウターで、積雪の少ない地域や都市部なら、これ一枚で冬が越せると思います。
まとめ
この手のボアフリースはレトロXのパチモノと揶揄されがちですが、物によっては本家パタゴニア製以上の機能性を備えている場合があり、見た目だけで判断するのは勿体ないですね。
私はレトロXの着丈の短さやアームホールの太さが好みでは無く、今回のアーチャーリッジジャケットは渡りに船でしたが、冒頭で触れた『やたらと毛が抜ける』という煩わしさが無くなっただけでも大満足です。
とはいえ、物凄く私好みのだっただけにアンタ―クティカバーサロフトジャケットが裏地付きでリニューアルされてくれれば…と願わずにはいられません。