私も愛用している一人ですが、元はアウトドア用でありながら
細身で美しいシルエットと抜群の履き心地が評判になり
カジュアルユースの街着として、思わぬ大ヒットを飛ばした異色のパンツが存在します。
毎年新色が出るくらい定番商品化しているので、ご存知の方も多いと思いますが
アウトドアブランドの大手”THE NORTH FACE/ザ・ノース・フェイス”から発売されている
“アルパインライトパンツ/Alpine Light Pant”がそれです。
アウトドア用のパンツですから耐候性がある上に、汗や汚れにも滅法強く
一度ハマるとなかなか手放せなくなる魅力があるのですが
真夏に使用するには少し生地が厚いという欠点があり
私も毎年、夏場だけは使用を避けていました。
先日、たまたま最寄りのノースフェイス直営店に足を運んだところ
アルパインライトパンツによく似たシルエットのパンツに目が留まります
見た目はよく似ていますが、生地の質感が明らかに異なり
手で触って確認してみると、コットン風の少しカサカサした薄手の生地です
あれ、この薄さで化繊なら真夏でも快適に着られるかも…と興味が湧き
製品タグのバーコードをスマホのアプリでスキャンしてその場を離れました。
帰宅してから調べてみると、そのパンツは
“ドーローライトパンツ/Doro Light Pant”と言う製品で
大ヒットしたアルパインライトパンツを下敷きに
より街着として洗練させた、ノースフェイスの新作パンツでした。
どれを選ぶ?街着に使えるノースフェイスのパンツ3種
直営店でたまたま見つけたドーローライトパンツが気になって調べてみると
アルパインライトパンツによく似たシルエットのパンツには
他にもバーブライトパンツ/Verb Light Pantがありました。
アルパインライトパンツ・ドーローライトパンツ・バーブライトパンツ
この3種類のパンツは見た目が大変良く似ていて
バーブとドーローに関してはサイズスペックが全く同じです
バーブライトパンツだけ2018年モデルからウエストまわりが
ウェービングベルト仕様になっていますが
画像を見てもわかる通り、若干ゆとりを持たせたウエストまわりと
裾に向けてテーパードしたシルエットは、ほぼ共通していますね。
さて、アルパインライトパンツの使い勝手を維持しつつも
夏でも快適に着られる薄手のパンツが欲しい私としては
それぞれの生地の厚さや素材の違いが気になるところです
実物を触って比較してみた感覚では
アルパインライトパンツ>>ドーローライトパンツ>バーブライトパンツ
上記の順番で生地が厚くなり、10:5:4くらいの印象です
それぞれ用途が異なるため、一概には言えませんが
素材の速乾性や肌離れの良さ含めて評価すると
この中ではバーブライトパンツが最も夏向きのパンツと言えるでしょうか。
生地の素材はアルパインとバーブがナイロン90%にポリウレタン10%を混紡した
“APEX/アペックス”と呼ばれるストレッチ素材で
ドーローはポリエステル100%にも関わらず、ストレッチ性と
コットンの風合いを兼ね備えた“SOLOTEX/ソロテックス”と言う素材が使われています。
発汗時の快適さや速乾性はバーブライトパンツに軍配が上がりますが
3~5年で経年劣化するポリウレタンを使用せずに
ストレッチ性を実現しているドーローライトパンツもかなり魅力的ですね。
ドーローライトパンツを購入、アルパインライトパンツとの違いは?
バーブライトパンツとドーローライトパンツ
悩んだ末に私が選んだのは、アルパインライトパンツの進化版とも言える
ドーローライトパンツの方でした。
理由はバーブよりも街着向けのカラーバリエーションが豊富だった点と
コットンライクな質感とバーブとさほど変わらない生地の厚さが決め手でしょうか
個人的にウェービングベルトが好みではなかったのもあります。
3年前に購入したアルパインライトパンツはサイズがLでしたが
少しお尻まわりに余裕がありすぎる感じがしていたので
事前にフィッティングをして確認をした上で
今回はワンサイズ下のMサイズ、カラーはMO/ミリタリーオリーブを購入しました。
折角なので、手持ちのアルパインライトパンツと
購入したドーローライトパンツを比較してみたいと思います。
シルエットを比較するために両者を単純に重ねてみましたが
サイズがワンサイズ分異なる以外はシルエットに大きな違いはありませんでした
ドーローライトパンツにドレスタイプのチノパンやスラックスの様な
センタープリーツが見られますが、単なる折ジワです。
画像ではわかりづらいですが、生地の厚さはおよそ半分です
手で持つと、ドーローライトパンツの方が圧倒的に軽く
ストレスを感じさせない着心地と速乾性に期待が高まります。
どちらのパンツも、小雨程度なら弾く撥水性と高いストレッチ性を備えていますが
生地の質感は全く異なり、アルパインライトパンツは
しっとり・モチモチしたやや厚手の生地です
それに対してドーローライトパンツはコットン生地を薄くして
和紙を混ぜた様なカサカサした手触りで
伸縮性のあるちりめん生地という表現が一番近いでしょうか。
両者とも、右側だけにジップ付きのバックポケットがあり
この部分に変更は見られません
アルパインライトパンツはストレッチ性が強く、生地がモチモチしているので
ジップを開閉する際に手間取ることがあったのですが
ドーローライトパンツは生地にコットンライクな張りがあるおかげで
開閉がスムーズになった印象です。
ジップ仕様だった両サイドのポケットは見直され
ドーローライトパンツはチノパンやスラックスと同じスラントポケットが採用されています
実用性重視なアウトドア色が払拭され、着丈の短いトップスとの相性も良くなりました。
ウエストまわりの作りは殆ど変更されていません
リブと紐でウエストサイズを調整する仕組みも継承されていて
個人的にウェービングベルトよりも腰まわりがスッキリするので好みですね
Mサイズなら、ウエストの調節幅は72~84cm程で
お腹まわりが気になりはじめた方でも余裕を持って着られます。
一番変化があったのは、フロントジッパーかも知れません
アルパインライトパンツは元々アウトドア用のトレッキングパンツなので
上からでも下からでもファスナーを開閉できるダブルジップ仕様になっていました
この機能はウエストにベルト状の物を装備した時でも
ファスナーの開閉が妨げられない便利な機能なのですが
街着を強く意識したドーローライトパンツでは廃止されています。
膝部分には、曲げ伸ばしをスムーズにするためにダーツが設けられていますが
ドーローライトパンツはシンプルで癖の無い作りに変更されていますね
リフレクターの位置も異なり、アルパインライトパンツは右膝部分
ドーローライトパンツは左膝部分にノースフェイスのロゴが配されています。
欲を言えば、せっかく街着を意識した作りになっているのですから
リフレクターは目立ちすぎる真っ白ではなく
もう少し生地の色に馴染む配色にして欲しかったところでしょうか。
最後に、Mサイズを平置きした時の実寸ですが
ウエスト:72cm(最大84cm)
ヒップ:102cm
レングス:75cm
渡り幅:29cm(股合わせから10cm下)
裾幅:18cm
前股上:25cm
後股上:29cm
以上の様な数値となっています。
まとめ
アルパインライトパンツとドーローライトパンツを簡単に比較してみましたが
細身で美しいシルエットと履き心地の良さはしっかりと継承されていました。
アルパインライトパンツはストレッチ性が高く柔らかい素材が使われているせいで
スウェットパンツの様にのっぺりとした印象が少なからずありましたが
ドーローライトパンツはコットンライクなSOLOTEX/ソロテックス素材を使うことで
シャープでスッキリとした印象に洗練されています。
春から秋に掛けての3シーズンに渡って大活躍してくれるハイテクパンツで
個人的に経年劣化するポリウレタンを使用していない点が高評価です
手持ちのアルパインライトパンツは購入してから既に3年が経過し
長くても、後2年ほどしか着用出来ません
そういった意味ではSOLOTEX/ソロテックス素材を使った
新型アルパインライトパンツの登場にも期待したいところですね。