男女を問わず、年齢を重ねるごとに身なりに無頓着になると言われますが、私もその例に漏れず、衣類に対してファッション性よりも着心地や機能性と言った、実用的な要素を強く求める様になりました。
そんな理由からか、最近妙に魅力を感じているのが誰もが学生時代にお世話になった所謂『ジャージ』と言うヤツで、着心地抜群でやたらと丈夫な上に、着こなし次第でカジュアルウェア・ルームウェア・スポーツウェアの全てで活用できる万能アパレルです。
同じジャージでも、それなりの品質を備えた物となるとトラックトップやトラックジャケットと呼ばれるトップスだけの製品が増え、どちからと言えばライトアウター的な傾向が強くなります。
定番のフレッドペリーやロンズデールあたりから選ぶのが本筋なんでしょうが、残念ながらこれらのブランドのトラックトップは身幅と着丈のバランスに少し癖があり、細身で長身な私の体型では着こなしがやや難しくなります。
あれこれ悩んだ末に、今までの経験からサイズ感を把握しやすいアディダス製トラックトップから選ぶ事にしましたが、今回購入したアディダスオリジナルス『ベッケンバウアートラックトップ』は従来のアディダス製ジャージとは一味違った特徴を備えていました。
高い襟と細身のシルエットがカッコイイ!復刻版『BECKENBAUER TRACKTOP』を購入
ご存知の通り、アディダスからは毎シーズンの様にトラックジャケットやセットアップジャージの新作がリリースされ、定番モデルも把握しきれないくらい存在しています。
正直どれも同じに見えてしまうのですが、今回購入したアディダスオリジナルス『BECKENBAUER TRACKTOP/ベッケンバウアートラックトップ』は通常よりも嵩高(かさだか)になった襟やスッキリとしたシルエットに特徴があり、私の様なジャージ素人でも違いが分かりやすいモデルです。
このベッケンバウアートラックトップは細部の使用を現代風にリファインした復刻版で、ロゴマークは三本線のスリーストライプをモチーフにした物ではなく、三つ葉の旧ロゴ『トレフォイル』が施されています、俗に言う古くて新しいってヤツですね。
タグを確認してみると、製造国はカンボジアで税抜¥9990と記載があります、セール価格で入手したので気にしていませんでしたが、トップスだけのジャージに払うには少し躊躇するお値段かも知れませんね。
素材は本体がコットン52%、ポリエステル48%の混紡で各リブ部分もポリエステル95%、ポリウレタン5%の混紡になっています。
ハンガーに吊るした画像を見てわかる様にコットンが50%含まれている為か卸し立てはそれなりに皺(シワ)が目立ちます、一度でも着用すると体から発する熱と水分で気にならなくなりますが、カジュアルラインのアディダスオリジナルス製だけに、天然繊維特有の風合いや手触りを加味した着心地の柔らかいトラックトップに仕上がっています。
さて、気になるサイズ感ですが、スリーストライプロゴの本家アディダス製トラックトップと比べて丁度ワンサイズ分小さめな作りになっているでしょうか、アディダスならいつもMサイズのトップスを購入する私ですが、今回は大き目を狙ってLサイズを購入したにも関わらず、実際に着用した感覚はMサイズそのものでした。
因みにベッケンバウアートラックトップLサイズの平置き実寸は【身幅】53cm【着丈】68cm【裾幅】48cm【肩幅】48cm【袖丈】60cmとなり、数値的にもJASPOのMサイズに近い値になります。
サイズ選びの際はいつもよりワンサイズ大き目を選んだ方が失敗が少なく、ゆとりのある着こなしやオーバーサイズ気味に着こなしたいなら、ぶっちゃけツーサイズアップでも構いません。
細部をチェック!ベッケンバウアートラックトップの詳細
何と言っても、まずはココです!個人的に一番気に入っている襟のリブ部分は通常のジャージよりも嵩が高く、しかも生地が二重で型崩れしづらくなっています。
襟の高さは9cm程あり、二重になった張りのある生地のお陰かジッパーを鎖骨のラインまで下げても顎に干渉しないナチュラルな感じで自立してくれます、逆に上まで閉めればアゴ下まで頸部を覆い、肌寒さを感じる状況でしっかりと働いてくれます。
襟のタグにもトレフォイルロゴが施されていました、サイズ表記はJのLでサイズタグには切り取り線が見られます。
裏地は表地よりも気持ち柔らかく、コットンの風合いが強く出ている感じでしょうか、手触りはフランネルシャツに似ている気がしました。
袖部分のリブも襟と同様に生地が二重になっています、普通に着用する分には問題は感じませんが、リブの作りがしっかりしているので、暑さで袖をたくし上げる状況では腕に圧迫感を感じます。
左右のポケットは安心のジッパー仕様です、地味な部分ですがスマホを放り込める十分な容量があり、激しく動いたり前屈みになってもスマホや貴重品が落下しないのがイイですね。
裾リブも襟や袖と同様の作りで生地が二重になっています、フロントジップは上下どちらからでも開閉できるダブルジップ仕様になっていて、体温調節などの本来の用途以外にもインナーをチラ見せしてアクセントにしたいときに重宝します。
一通りベッケンバウアートラックトップの細部をチェックしてみましたが、一つだけ気になったのが表地の生地感です、化繊100%と比べて風合いが良く着心地も上々ですが、表地が毛羽立ちやすいので少し注意が必要でしょうか。
また、カラーがブラック、コットン混紡と言う悪条件が重なったせいもありますが、卸し立ての状態では埃が付着しやすく目立ちやすいですね、黒いカジュアルウェアなら良くある話ですが、ポリエステル100%のジャージに慣れた方には少し煩わしく感じるかも知れません。
良く似たジャージ『ベッケンバウアー』『ファイヤーバード』『SST』これらの違いは?
生地感の話が出たのでオマケで説明しますが、アディダスオリジナルスからはベッケンバウアートラックトップと仕様のよく似た『ファイヤーバード/FIREBIRD』トラックトップがリリースされています。
嵩高な襟や胸のトレフォイルロゴ、ジッパー仕様のポケットなど、パッと見では違いがわからないくらいそっくりな両者ですが、ファイヤーバードは素材がポリエステル100%とどちからと言えばスポーツ寄りな仕様でしょうか。
また、サイズ感にも違いがあり同サイズでもファイヤーバードの方が着丈が3cm前後短めになっている上に、ベッケンバウアーよりもワンサイズ分大き目のゆったりとした作りになっています。
因みにファイヤーバードのMサイズは【着丈】64cm【身幅】54cm【袖丈】59cmで、ベッケンバウアーのMサイズは【着丈】67cm【身幅】51.5cm【袖丈】60cmとなります。
要約すると、ファイヤーバードはスポーツ寄りで少し余裕のある短めなサイズ感、ベッケンバウアーはカジュアル寄りで細身でロングなサイズ感と言う事になりますが、ハードかつ多用途に使うならポリエステル100%で耐久性に優れるファイヤーバードを選ぶのもアリでしょう。
更に、ベッケンバウアーとファイアーバードのちょうど中間くらいの特徴を持つ『SST/スリーストライプスパースター』と呼ばれるトラックトップも存在しています。
こちらは襟ナシのMA-1ブルゾンのような外観をしているので、しっかりと差別化されている印象でしょうか。
サイズ感は着丈はベッケンバウアー、身幅がファイヤーバードとバランスが良く、生地はコットン40%ポリエステル60%の混紡。
本当に両者の中間くらいのスタンスで、個人的に襟ナシモデルしかラインナップされていない点が悔やまれます。
まとめ
細身でスッキリと着こなせるベッケンバウアートラックトップが思いのほか気に入っていまい、後日にワンサイズ大きいXLサイズのホワイトカラーをリピートしました。
こちらは狙い通り一般的なアディダス製ジャージのLサイズと同様のサイズ感でしたが、白も黒も別のベクトルで埃や汚れが目立ちそうなので、次回はグリーンあたり狙ってみたいですね。
私のジャージ熱はしばらく続きそうなので、そのうちファイヤーバードにも手を出しそうですが、やはり細身長身の体型的に着丈の短さが気になるところでしょうか。
最後に私からのちょっとしたアドバイスをお伝えしますが、本格的なスポーツ用として直射日光下で使う予定があるなら、ベッケンバウアーやSSTは避けた方が無難です。
実は、コットン混紡のスポーツウェアは紫外線や汗の影響で変色や退色しやすい性質があり、紫外線をガンガン浴びつつ、汗をドバドバ流すような用途には大変不向きです。
スポーツに使いたいなら、ポリエステル100%のファイヤーバードを選ぶか、コットン混紡でも白などの明るい色を選びましょう。
紫外線も汗も単体ではそれほど悪さを働きませんが、この二つが組み合わさると最悪な相乗効果を発揮し、普通では考えられないような色落ちを引き起こします。
黒に近い色ほど変化が目立つので、くれぐれも注意しましょう。